← 歴史的アーカイブ一覧へ私が中国に渡ってから始めたスポーツがある。
韓国の国技、テコンドーである。「なぜわざわざ中国で?」と聞かれるが、
一つには、日本のマスメディアにいたときよりも、時間の融通が利きやすく
稽古がやりやすいこと。そしてもう一つは、元々、このスポーツに興味を持っていたからである。
日本にいたとき、シドニー五輪銅メダリストの岡本依子選手を何度か取材したことがあり、彼女の練習風景を見ていて、「かっこいいなあ」と思ったという単純な動機である。テコンドーは足技の豊富さで知られている。そしてローキックが禁止されている格闘技で、弧を描く美しい足技が駆使されることもあり、「足でやるボクシング」とも形容される。
シドニー五輪で正式種目化されるまでは、各国際大会も韓国の独断場となっていたのだが、それ以降は各国が入り乱れてメダル争いをする状況となっており、特に中国は、2006年アテネ五輪でも67キロ級で陳中が金メダルを取るなど、韓国と並んで、高いレベルを誇っている。
このテコンドーに対する中国の力の入れ具合は相当なものである。現在、中国国内での競技者は100万人を越え、道場は1000ヶ所以上。去年11月、河南省の少林寺に取材に訪れたときは、少林寺周辺の武術学校でテコンドーを学科として稽古している様子が見られた。ある武術学校の校長は、「かのブルースリーもテコンドーの稽古を取り入れていた。足技を学ぶのに最適の武術」と語っていた。
指導者制度も改革されている。中国では基本的に、全ての職業は国家による認定が必要となるが、去年11月から、中国でテコンドーを教える指導者は、全て「指導者認定制度」の対象とし、合格した場合は中国テコンドー協会のホームページに掲載されることになった。
現在、中国テコンドー代表は、天津で冬合宿に入っている。
12月のドーハ・アジア大会では中国女子が3個の金メダルを獲得し、メダル数だけを見れば、女子は韓国と肩を並べるくらいのテコンドー強国に成長してきた。ただ、まだまだ技術的には未熟なことが多く、韓国から外国人コーチを招聘して、レベルアップを行っている。
今年5月18日から22日まで、北京の郊外、昌平区で世界選手権が行われる。ここで、中国は女子が2個の金メダル、男子がメダル争い、という目標を立てている。
「本家」を奪わんと力を入れている中国、それに競技の国際化を目指して、全面的なバックアップをしつつ、微妙な心情を持ちながら、選手権に臨む韓国。この両者の争いが見ものだ。そういえば、この構図は、日本で言えば、柔道に似たようなものがあるかもしれない。
さて、私の稽古はといえば、本来、体が硬いせいもあって、とても、あの美しい足技まで到達しそうにない・・・。ちょこまかと足を挙げて、蹴ろうとするのだが、とても「ローキック以上に」届きそうにない。イメージトレーニングのほうは十分なのだが、目標の黒帯はまだまだ先のことになりそうである。
HISTORICAL ARCHIVE / 2007-02
中国でテコンドー
過去掲載記事をアーカイブから復元したものです。本文は当時の表記を維持しています。
出典・公開日時・復元状況
- 原掲載先
- スポーツナビ+/スポーツCHINA〜体育中国
- 筆者(原ページ署名)
- 朝倉浩之
- 当時の公開日時
- 2007/02/08 08:14 GMT+9
- 公開日時の根拠
- dc:dateとページ内日付・投稿時刻を照合一致
- 復元元URL
- http://www.plus-blog.sportsnavi.com:80/asa8043/article/34
- 保存日時(UTC)
- 2009-04-03T03:57:28Z
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